対人関係に悩みを持つ人は非常に多く、世界中で悩みを抱えている人がいます。人間関係は生活の中で非常に重要な要素であり家族、友人、同僚、恋人など、さまざまな人々との関わりの中で発生します。そのため、関係が円滑でない場合やコミュニケーションの障害がある場合、ストレスや不安を感じることがあります。心理的な問題、社会的な圧力、文化的な違い、コミュニケーションの誤解など、さまざまな要因で悩みを引き起こす可能性があります。これは普遍的な問題であり、多くの人が経験することでしょう。
デール・カーネギーの「人を動かす」は、人間関係やコミュニケーションに関する名著として有名です。私もこの本を読み進めているので、読んで感じた事を共有していきたいと思います。この本では、他者との関係を改善し、成功を達成するための具体的な方法が紹介されていまる。カーネギーは、人々が自分の考えや感情を受け入れるようにし、相手の立場や視点に共感し、積極的に聴くことの重要性を強調しています。また、他者に対して承認や賞賛を与えることで、良好な関係を築く方法や、人々の動機付けや行動を理解するための心理学的な原則も紹介されています。この本は、ビジネスや個人生活の両面で人間関係を改善し、成功を促進するためのガイドとなっています。
デール・カーネギー(Dale Carnegie)は、20世紀初頭のアメリカの作家、講演者、人間関係の専門家です。彼は人間関係とコミュニケーションスキルに関する著書や講座で知られています。特に有名な著書には「人を動かす」があり、人々が他者との関係を改善し、成功を達成するための実践的なアドバイスが提供されています。カーネギーは、自己啓発やビジネスコミュニケーション分野で永遠の名声を得ています。
・盗人にも五分の理を認める
・重要感を持たせる
・人の立場に身を置く
・盗人にも五分の理を認める
「盗人にも五分の理を認める」という言葉は、他者の意見や行動にも理解を示すことの重要性を表しています。つまり、人々は異なる立場や視点を持っており、その背景や状況に基づいて行動していることがあります。したがって、他者の行動や意見に対して、一方的に否定するのではなく、その背景や理由を考慮し、適切な評価を行う必要があるという意味です。この言葉は、対立や葛藤を解決する際にも役立ちます。他者の立場や意見にも一定の理解を示すことで、対話や協力関係を築きやすくなります。また、この言葉は、公正さや寛容さの重要性を強調し、人々がお互いを尊重し合う社会を構築するための指針ともなります。
この章の最後にアルベルト・マンゴールドによる小説「父は忘れる」の抜粋が紹介されています。普段、世話の掛かる息子に対してきつく𠮟ってばかりの父親が突然不安に襲われ、眠りについた息子の寝顔を見て心を改める描写があります。
お父さんはおまえを一人前の人間と見なしていたようだ。こうして、あどけない寝顔を見ていると、やはりおまえはまだ赤ちゃんだ。きのうも、お母さんにだっこされて、肩にもたれかかっていたではないか。お父さんの注文が多すぎたのだ。
「父は忘れる」アンベルト・マンゴールド
人を非難するかわりに、相手を理解するように努めましょう。どういうわけで、相手がそんなことをしでかすに至ったか、よく考えてみよう。そのほうがよほど得策でもあり、面白くもある。そうすれば同情、寛容、好意もおのずと生まれてくる。
・重要感を持たせる
人を動かす秘訣は、この世に、ただひとつしかない。みずから動きたくなる気持を起こさせること。アメリカの思想家エマーソンはこう言っている。
自分の長所、欲求を忘れて、他人の長所を考えようではないか。そうすれば、お世辞などはまったく無用になる。うそでない心からの賞賛を与えよう。心から賞賛し、惜しみなく賛辞を与えよう。相手は、それを、心の奥深くしまいこんで、終生忘れないだろうー与えた本人が忘れても、受けた相手は、いつまでもわすれないでいつくしむだろう。
思想家エマーソン
・人の立場に身を置く
自己主張は人間の重要な欲求のひとつである
ウィリアム・ウインター
相手の中に強い欲求を起こさせること。これをやれる人は、万人の支持を得ることに成功し、やれない人は、ひとりの支持者を得ることにも失敗する。
本書のPart1では、この3つの原則とその実例が紹介されている。自分に置き換えた場合でも感じるところのある内容が多々あった。他人は変えられない、変えられるのは自分だけとも言うが、人に動いてもらうには相手が何を考えているか、感じているかに寄り添う気持ちも大事なのだと改めて感じた部分でした。
私は1981年の原著を翻訳したものを読んでいますが、2023年の9月に改訂新装版が発売されています。興味はあるけどサクッと読んでみたいという方にはマンガ版も出ているようですので、気になる方をお手にとってみてはいかがでしょうか?対人関係に悩む方の助けになれば嬉しいです。引き続き、読み進めていきます。