書籍紹介

人を動かす②人に好かれる六原則

人に好かれる六原則

1.誠実な関心を寄せる

2.笑顔を忘れない

3.名前を覚える

4.聞き手にまわる

5.関心のありかを見抜く

6.心からほめる

誠実な関心を寄せる

友を得る方法を学ぶには達人のやり方を学べばよい。その達人とは犬だ、と本書では紹介している。こちらが近づくと尾を振り、撫でてやると夢中になって好意を示す。確かに、友を得るには相手の関心を引こうとするより、相手に純粋な関心を寄せる事に効果がありそうであることを感じている人は多いのではないだろうか。

笑顔を忘れない

電話対応のオペレーター等の業務において、笑顔を忘れるなと言われている。電話なのだから、相手にその顔は見えない。しかし、その笑顔から発せられる言葉は相手に伝わる。そしてここでも犬の例が出される「わたしはあなたが好きです。あなたのおかげでわたしはとても楽しい。あなたにお目にかかれて嬉しい」。犬が可愛がれれる所以である。我々を見ると、犬は喜んで夢中になる。自然と我々も犬が可愛くなる。

クリスマスの笑顔

元手がいらない。しかも、利益は莫大。つかれたものにとっては休養、失意の人にとっては光明、悲しむものにとっては太陽、悩めるものにとっては自然の解毒剤となる。買うことも、強要することも、借りることも、盗むこともできない。無償で与えてはじめて値打ちが出る。

ニューヨークのあるデパートでクリスマス期間中に出された広告

名前を覚える

アメリカの鉄鋼王と称されるアンドリュー・カーネギーという人物の例が紹介される。※著者のデール・カーネギーとは別人である。アンドリュー・カーネギーは鉄鋼業により富を得た。しかし、これは彼が鉄鋼に非常に詳しく、それを扱う商才があったからではない。彼は人の扱い方を知っていたのである。それが彼を富豪にした。彼は子供の頃から、人を組織し、統率する才能を示していた。特に人間は自己の名前に並々ならぬ関心を持つことを知っていた。

彼は、ペンシルバニア鉄道会社にレールを売ろうとしていた。当時、エドガー・トムソンという人物が、その鉄道会社の社長だった。カーネギーはピッツバーグに巨大な製鉄工場を建て、それをエドガー・トムソン製鉄所と命名した。ペンシルバニア鉄道会社は、果たしてどこからレールを購入しただろうか。

聞き手にまわる

南北戦争の最中、リンカーンは故郷のスプリングフィールドの旧友に手紙を出して重要な問題について相談をしている。友人がホワイトハウスに到着すると、リンカーンは奴隷解放宣言を発表する事を相談した。リンカーンは数時間自分の意見を述べ、新聞や投書にある賛成意見、反対意見を読み上げた。こうして数時間の長談義が終わると、リンカーンは友人と握手をし、その意見は一言も聞かずに帰してしまった。すっかり気が晴れたらしい。友人も、リンカーンは言うだけのことを言うと気が楽になったようだ、とあとで述べている。リンカーンは、相手の意見を聞く必要は無かった。ただ、心の重荷をおろさせてくれる人、親身になって聞いてくれる人が欲しかったに過ぎない。

関心のありかを見抜く

ニューヨークのデュバノイ商会という製パン会社のヘンリー・デュバノイ氏の例である。デュバノイ氏は、以前から同じニューヨークのとあるホテルに自社のパンを売り込みたかった。4年間、支配人の元に足を運び続けたが、ダメだった。

では何をしたのだろうか。デュバノイ氏は彼がアメリカ・ホテル協会の会長であることを知った。彼に会って、協会の話をしたのである。反応はすばらしいものだった。彼と話している間はパンの事は話題にしませんでした。数日後、ホテルからパンの見本と値段表を持ってくるように連絡がありました。

心からほめる

デール・カーネギー氏の講習会に参加した弁護士R氏の例を紹介しよう。R氏は夫人と一緒に彼女の親戚を訪ねた。年を取った叔母の家に到着すると夫人はR氏に叔母の相手を任せて、別の親類の家に行ってしまった。R氏は賞賛の原則を叔母に試した。

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R氏「この家は1890年頃に建てたのでしょうね」

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叔母「そう、ちょうど1890年に建てましたの」

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R氏「わたしの生まれた家も、ちょうどこういう家でした。りっぱな建物ですね。なかなかよくできています。広々として。・・・この頃では、こういう家を建てなくなりましたね。

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叔母「この家はわたしにとっては夢の家です。この家には愛がこもっています。この家が建ったとき、主人とわたしとの長い間の夢が実現されたのです。設計は建築家に頼まず、わたしたちの手でしました。」

叔母は家の中を案内し、旅行の記念に求めた収集品を紹介した。それらを見たR氏は心からの賛嘆の声をあげた。家の中の案内が進むと叔母はR氏をガレージへ連れて行った。ガレージには、新品に等しいパッカードが一台、ジャッキで持ち上げたままになっていた。

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叔母「主人が亡くなるちょっと前に、この車を買ったのですが、わたしは、この車に乗ったことがありません。・・・あなたは物の良さがわかる方です。私は、この車をあなたに差し上げようと思います」

この老婦人は、わずかな賞賛の言葉に飢えていた。今や老いの孤独をかこつ身となり、ちょっとした思いやりがよほど身に染みるのだろう。R氏の理解ある態度に接すると、パッカードをプレゼントしなければ気がすまなかったのだ。

人に好かれる六原則でした。人を動かす三原則にも共通する内容が多くあるように思います。

人に好かれる六原則

1.誠実な関心を寄せる:人の立場に身を置く

2.笑顔を忘れない:人の立場に身を置く

3.名前を覚える:重要感を持たせる

4.聞き手にまわる:人の立場に身を置く

5.関心のありかを見抜く:人の立場に身を置く

6.心からほめる:重要感を持たせる

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