書籍紹介

人を動かす③人を説得する十二原則

人を説得する十二原則

1.議論を避ける

2.誤りを指摘しない

3.誤りを認める

4.おだやかに話す

5.”イエス”と答えられる問題を選ぶ

6.しゃべらせる

7.思いつかせる

8.人の身になる

9.同情を持つ

10.美しい心情に呼びかける

11.演出を考える

12.対応意識を刺激する

議論を避ける

議論によって解決すべき問題がある場合の除き、対人関係を良好に保つ為には議論を避ける事が必要な場合もある。仮に相手の意見が間違っている場合、こちらが正論を述べると相手の立場はどうなるだろうか。相手をやっつけた方は大いに気をよくするだろうが、やっつけられた方は劣等感を持ち、自尊心を傷付けられ、憤慨するだろう。

「人の立場に身を置く」「誠実な関心を寄せる」「聞き手にまわる」に倣って相手の主張をよく聞き、考えて欲しい。相手の方が正しいのではないか?少なくとも正しい部分もあるのではないか?反論は問題の解決に役立つのか?反論は相手を遠ざける事になるか?それとも引き寄せる事になるか?反論しなかったら、この論争はおさまるか?

誤りを指摘しない

議論を避ける事と同様に、相手の誤りを指摘した場合相手はどう感じるだろうか。誤りを指摘された側は感情を傷付けられ、対立する立場をとられることになる。しかも、相手の方が正しかった場合、この感情の矛先はどこに向ければよいのだろうか。つまり、相手が誰であろうと、口論をしてはいけない。相手の間違いを指摘して怒らすようなことはせず、外交的手法を用いるべきである。外交的手法とは、相手の立場を理解し、合意に達するための努力である。

誤りを認める

自分に誤りがあった場合、言い訳やしらを切ると相手はどう思うだろうか。余計に誤りを分からせる為に指摘をしてくるだろう。逆に自分で誤りを認めてしまえば、他社に自分を信頼する機会を与え、それ以上責める事をやめるだろう。すると他人に非難される事なく、自己批判により物事を解決する事が出来る。この方が、多くの人によってよほど愉快であろう。負けるが勝ちという諺もあります。敗北や失敗を否定するのではなく、それを受け入れ、その経験から学び、成長することの重要性を強調しています。

おだやかに話す

穏やかなコミュニケーションは、問題解決に向けた建設的な議論を促進します。感情的な反応や攻撃的なトーンは、問題の解決を妨げることがありますが、穏やかなトーンは対話を円滑に進める助けとなります。穏やかなトーンで話すことは、コミュニケーションの円滑化に役立ちます。相手が安心して会話に参加しやすくなり、誤解や不必要な緊張を避けることができます。

”一ガロンの苦汁よりも一滴の蜂蜜を用いたほうが多くの蠅が取れる”

リンカーン

”イエス”と答えられる問題を選ぶ

人と話をするとき、意見が一致している問題から話始め、それを強調しながら話を進める。互いに同一の目的に向かって努力しているのだということを相手に理解させるようにし、違いはただその方法だけだと強調するのである。

しゃべらせる

相手を説得しようとする場合、自分ばかりがしゃべるのでは無い。相手にしゃべらせるのが大事だ。途中、異議を唱えたい場面があっても、ぐっと堪えるのである。十分にしゃべらせた結果、考えが整理され話を聞いてくれたこちらに対する信頼も得られる為、こちらの意見にも柔軟に対応する姿勢を見せるようになる。

思いつかせる

人は何かを決める際、人から押し付けられた意見よりも自分で思いついた意見を大切にしたいと思うものだ。つまり、こちらがすべきは結論を出す手助けをするのみであり、最終的には相手の意見を尊重することだ。この結論を出す手助けをするという部分は、「重要感を与える」にも通ずる。

人の身になる

賢明な人間は相手を理解しようと努める。他人にものを頼もうとするときには、まず目を閉じて、相手の立場から物事をよく考えてみようではないか。「どうすれば、相手はそれをやりたくなるだろうか」と考えてみるのだ。この方法は面倒にはちがいない。だが、これによって味方が増え、よりよい結果がたやすく得られる。相手の立場になって物事を見極めるということを会得すれば、生涯にとって画期的な役割を果たすだろう。

同情を持つ

われわれが交渉を持つ相手の四分の三は、みな同情に飢えている。それを与えてやるのだ。好かれることは請け合いである。口論や悪感情を消滅させ、相手に善意を持たせて、あなたの言うことを、おとなしく聞くようになるだろう。

美しい心情に呼びかける

相手の信用状態が不明なときは、彼を立派な紳士と見なし、そのつもりで取引を進めるとまちがいないと、わたしは経験で知っている。要するに、人間はだれでも正直で、義務をはたしたいと思っているのだ。これに対する例外は、比較的少ない。人をごまかすような人間でも、相手に心から信頼され、正直で公正な人物として扱われると、なかなか不正なことはできないものなのだ」。

ジェームズ・トマス

演出を考える

現代は演出の時代である。CMには、自社の製品の劇的な効果を利用しているものが多数ある。

対抗意識を刺激する

対抗意識を刺激することは、企業や組織の業績向上や成長に貢献することができる。ただし、健全な競争環境を維持することが重要であり、不正や違法行為に陥らないよう注意する必要がある。書籍ではとある工場の工場長が昼勤務と夜勤務の2交代制の工場で業績の向上を検討していた時、昼勤務の作業者に案件の進捗を確認して進み具合を記録したそうだ。翌朝、出勤してみると夜勤務の進み具合は、昼勤務のそれを上回る数字が記録されていた。これにより昼勤務の作業者たちは対抗意識を刺激され、更に上回る進み具合を目指し工場の能率はどんどん上がっていったそうだ。

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