「人を動かす」に引き続き、デール・カーネギー協会の著書「リーダーになるために」を紹介していきたいと思う。協会の著書には「話し方入門」や「道は開ける」といった書籍もあるが、機会があれば読んでみようと思う。
成功への第一歩は、あなた自身のリーダーシップの強さを確認することである。
リーダーとは
リーダーとはどんな人物像をイメージするだろうか?
ビジネスにおいて上位の階層に位置して人を導く立場の人だろうか。
この章では、現代において求められるリーダーシップは
・人びとを援助して彼らの可能となる能力を発揮させること
・将来へのビジョンを確立すること
・勇気づけ、指導し、模範となること
・成功に導く関係を確立し維持すること
としている。
チャールズ・シュワッブ
現代社会において、ビジネスの場はもとよりプライベートにおいてもリーダーシップが求められているとされている。「人を動かす」でも紹介されていたが、米実業家チャールズ・シュワッブは鉄工所の構内を歩いている時、「禁煙」の掲示の下で何人かタバコを吸っている姿を目撃した。多くの人はすぐに止めるように言ったり、「この掲示が見えないのか」と指差す所だろうが、彼がしたのは掲示の内容には触れず彼らと楽しく話をすることだった。話が終わると、彼らに葉巻を渡し「きみたち、これを外で吸ってもらえるとありがたいんだが・・・」彼が言ったのは、それだけだったそうだ。規則を破っているにも関わらず、紳士な対応をされては、同じく紳士な対応をしなければと自ずから感じる事の例を示している。
スティーブ・ジョブズ
Appleの創業者スティーブ・ジョブズの名前を聞いたことがある人は多いだろう。彼の人生からもまた、リーダーの素質を垣間見る事が出来る。彼の生家は特段裕福な家庭では無かった。寧ろ、貧しかった。1976年、彼はガレージでアップル・コンピューター・カンパニーを始めた。当時のホーム・コンピューターはまだまだ大きく、個人が持つようなものでは無かったが、ジョブズは「もはや物好きのためだけのものではない」と低価格な大衆向けコンピューターを開発し、大成功したのは知る所である。しかし、その道は決して簡単では無かっただろう。小売業者からは「間に合ってるよ」、メーカーからは「とても無理だ」、銀行からは「これ以上はだめだ」と言われても、挫けなかった。会社設立後6年、世の中がジョブズの思い描いた世界に追いついた時、アップルは年間65万台のMacを販売する会社となっていた。将来へのビジョンを確立するリーダーシップを持ち、諦めなかった結果である。
あなたのリーダーシップを目指す
我々はこれらから何を学ぶべきだろうか。決してシュワッブやジョブズになれ、という事では無い。本書でも、リーダーに「正しいやり方はたった1つ」ということはない。そして才能あるリーダーはさまざまな個性を持っているからである。誰かの真似をすることは目指すべき事では無く、あなたにとっての最善のリーダーシップとはあなた自身の中に育んでいるものである、と言っている。最後にもう一度、現代で求められるリーダーシップを見てみよう。
・人びとを援助して彼らの可能となる能力を発揮させること
・将来へのビジョンを確立すること
・勇気づけ、指導し、模範となること
・成功に導く関係を確立し維持すること