書籍紹介

リーダーになるために⑦明日のためにチームをつくる

チームの中でよく働く人が、明日のリーダーである

明日のためにチームをつくる

1.目的を一つにしているという感覚をつくり出す

2.チーム目標を目標とせよ

3.人間を、個人として存在するものとして扱え

4.一人ひとりのメンバーに、チームとしての成果へ責任を持たせよう

5.手柄はわかちながら、非難の責任は自分が取ろう

6.あらゆる機会を利用して、チームへの信頼を築け

7.関わりを持て、関わりを持ちつづけよ

8.よい手本であれ

かつて大企業というものはピラミッドのような階層構造をもった組織であった。会社、病院、学校で組織づくりをするときに、最もよい方法だろうか?わざわざ聞こうともしなかったし、常にいつものようにそこにあった。堅固で、当たり前で、とても変化など受け付けそうもない姿で。しかし、未来は全体として、もっと水平的になるだろうことは間違いない。

厳格なヒエラルキー、縦割り系列、複雑な命令系統、こうしたものすべてが、創造的な仕事を窒息させてきた。世界がこんなに早く変化しているというのに、誰がこういう昔の状態を持ちこたえられようか?

ピーター・ドラッカーは、「近代の組織は、上司とそれに従属する部下との組織ではあり得ない。それはチームとして組織されるべきである。」と主張する。

ピラミッド型の組織では、エンジニアは一日中エンジニアと一緒に働いていればよかった。現在では、セールスマンのグループに放り込まれ「この製品をもっと顧客にアピールするようにしてくれ」「この部品をもっと速く組み立てる方法を考えてくれ」「エンジニアとしての経験を活かして、このマーケティング・グループに技術上の問題について教えてやってくれ」と言われる。これにより、マーケティング担当者はエンジニアの言葉に耳を傾け、エンジニアはマーケティング担当者からの注文を聴く。かつての組織では起きえなかったことだ。

目的を一つにしているという感覚をつくり出す

共同で作業をする人は、思いがけないことまで成し遂げることができる。その特別の力をチームに与えるものは、個々のメンバーが共有している統一ビジョンである。

チーム目標を目標とせよ

チーム全体が勝たなければ、グループの誰も勝者になれない。

人間を、個人として存在するものとして扱え

個人がチームとしてまとまって行動するときでも、彼らの個性が突然に蒸発してしまうわけではない。彼らは以前、それぞれの個性を持っている。依然として異なった能力を持っている。依然としてさまざまな希望や恐怖心を持っている。有能なリーダーはこれらの違いを認識し、評価し、それらをチームに役立つよう利用するのである。

一人ひとりのメンバーに、チームとしての成果へ責任を持たせよう

人びとは、自分の貢献が重要であると実感することが必要だ。そうでなければ彼らは、いまやっている仕事に完全に打ち込むことをしなくなるだろう。

手柄はわかちながら、非難の責任は自分が取ろう

チームワークがうまくいって、それが認められているときには、その利益を広くわかち与えるのがリーダーたるものの責務である。みなからの賞賛、トップからのボーナス社内報のベタほめ記事、その認知がどういう形をとっているにせよ、全員がたっぷりとその分け前に与るべきである。

人間は誰でも賞賛に包まれることを、常に喜ぶものだ。賞賛が彼らに最大の努力を払わせ、自分たちをこの成功へ導いだリーダーと、またいっしょに働きたいという意欲を持たせるのである。そしてこんなふうに度量が大きいと、もう一つ別の利益がある。結局、その栄誉のより大きな分け前を手にするのはリーダーだということだ。

あらゆる機会を利用して、チームへの信頼を築け

偉大なリーダーというものは、チームを強く信頼し、その信頼を全メンバーと共有しようとするものだ。

関わりを持て、関わりを持ちつづけよ

強力なリーダーはみなとともにいて、ともにいつづけなければならない。

よい手本であれ

リーダーの仕事とは、才能を育て、チームの人びとを強化することである。短期的に見ても、そういうことだ。チーム・メンバーは当面、自分たちに与えられた任務を遂行するのだから。しかし長い眼で見る場合もそうである。リーダーはチーム・メンバーたちのすべての人生と経歴とに対して、心から責任を負わなければならないからである。

created by Rinker
¥1,650 (2024/07/01 23:09:57時点 楽天市場調べ-詳細)