他人を真に尊重することが、やる気を起こさせる基盤である
1.おのれの欲するところを他人に施せ
2.相手の立場にたってみよう
3.従業員を同僚として扱い、見下したり、一方的に命令したり、𠮟りつけたりしてはならない
4.人びとを巻き込め
5.組織を大きな面でも小さな面でも人間的なものにしよう
クライスラーはフランクリン・デラノ・ルーズベルトのために特別車を作った。彼の足は麻痺していて普通の車は使えなかったからである。W・F・チェンバレンと一人の職工とが、手だけで運転できる特別車をホワイトハウスへ運んだ。ルーズベルトは、彼が考えた細部の全てに賞賛をしドライブの練習をした。練習が終わるとルーズベルトは言った。「さてチェンバレンさん、わたしは連邦準備制度理事会をもう30分も待たせているんです。もう仕事に戻らなくては」
ルーズベルト大統領はチェンバレン氏の立場に立って、彼を尊重したのである。チェンバレンは、会社からは大統領への特別車を届ける事を任されていたかもしれない。会議を理由に門前払いしては、彼の面目もたたない。車を受け取り、彼の説明を受け、自分の仕事にも戻ったのであるが、最大限彼に敬意を払ったのだ。
おのれの欲するところを他人に施せ
巨大広告企業、j・ウォルター・トンプソン社社長、バート・マニングは、最近、若いコピーライターの集まりで講演を依頼された。「勝つためには秘訣を悟り、それによって生きなければならない。それは簡単なことだ。この魔法の秘訣とは何か?それはこうだ。おのれの欲するところを他人に施せ」
マニングの論法は、宗教とか、倫理とか、自己満足とか善と悪との相違などを問題にするのではなかった。そういうことも彼の助言に従う立派な理由になる。そしてこの黄金律は必ず成果を生むということである。
相手の立場にたってみよう
他の人びともこちらとまったく同様に生き、生活している人びとなのである。家庭で苦労をしていて、成功を望んでいる。こちらと同様に、尊敬と敬意と理解とをもって遇されることを望んでいる。
従業員を同僚として扱い、見下したり、一方的に命令したり、𠮟りつけたりしてはならない
彼らは要するに奴隷ではなく、協力者もしくは最良の友なのだ。だから彼らをそれにふさわしく遇することである。組織内の何びとも、それぞれの人間性を認識することだ。大ボスのような振舞いは、相手にやる気を起こさせず、地位を嵩に着る人間への恨みを引き起こす。
人びとを巻き込め
彼らに挑戦させよ。彼らの意見を求めよ。彼らの協力を奨励しよう。
仕事はほとんどの場合、あなたの場合と同様、彼らの生活の大部分を占めている。彼らが仕事に入り込むことを望んでいるのも、ほとんど確実である。彼らはどっぷりつかりたがっている。彼らは挑戦され、もっと能力を使いたがっている。自分の意見は無視されたくないのである。
組織を大きな面でも小さな面でも人間的なものにしよう
わたしたちのすべてーどの部署にいようとも、地位や生いたち、あるいは人間関係がどうであろうともーは他人の重要性と尊厳に敬意を払うことによって、さらに前進し、さらに大きなものを達成するであろう。