人間は金のために働く。
しかし、認められ、賞賛され、報奨を受けると、さらに一マイル余分に行くものだ。
ときとして人にやる気を起こさせるのは、簡単なことなのである。みなが聞きたがっているのは、きみの仕事は第一級だとか、なかなか要領がいいとか、能力があるとか、きみの努力はよくわかっているよ、とかいうことばである。ほんのちょっとした認知、タイミングのいい激励のたったひと言が、単にまじめな普通の従業員をすばらしい社員へと変えるのである。
デール・カーネギーは尋ねる。「なぜ犬のすることを変えようとするときに使う常識を、人間を変えたいときに使わないのか?ほんのちょっとよくなっただけでもほめてやろう。そうすれば、もっとよくなろうという気になる」
今日、よい経営が行われている会社は時間や労力、金を費やして、非金銭的な報酬を意義あらしめようとしているのである。
報奨、表彰、賞賛。どんなふうにそれをするか問題ではない。問題はそれをするということだ。二度でも三度でも何度でもすることだ。従業員への報奨の中、最高のものはこれだ。たしかに金はすばらしいものだ。しかしそれだけが効果のある報奨ではない。使う金があるなら、賢く使え。卓越した仕事に報いよ。従業員の参加を促すとか、人が喜ぶようなやり方で金を使うのだ。