書籍紹介

貨幣の価値を損なうインフレーション

インフレーションやインフレといった言葉を聞いたことがある人も多いのではないのでしょうか?言葉そのもの(inflation)の意味としては膨張となるのですが、金融・経済用語として使用されるケースの方が多く、この場合はモノ・サービスの水準が上昇する現象を指します。

現代国家では主に法定通貨は国家が発行しています。中央銀行の一番の仕事は貨幣価値を安定的に保つ事です。ただし、細かくは緩やかなインフレが続くことが経済にとっては好ましいと言われています。

お金の紙幣は持っているだけでは、その価値のままになります。例えば、1万円を持っていたとしたら、翌日も翌月も翌年も1万円は1万円です。しかし、モノ・サービスの値段が2倍になったら、相対的に紙幣の実質的な価値は半分になってしまいます。

第一次世界大戦に負けたドイツは、多額の賠償金が命ぜられ返済に苦労していました。ただでさえ戦後の物不足の最中にドイツ政府は大量の紙幣を印刷した為、一気にハイパーインフレが起こりました。当時は、ほぼ毎日物価が2倍に上昇する程のインフレが発生していた時期もあり、その頃のドイツ人はレストランでビールを注文する時には2本、3本とまとめて注文したそうです。なぜなら、2本目がぬるくなって美味しくなくなる速度よりもビールの値段が上がっていく速度の方が早かったから。当時のインフレ具合を表すエピソードです。

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